株式会社Dragon Brewingは、愛知県名古屋市東区に拠点を置き、2025年1月に創業したクラフトビールブルワリーです。
最大の特徴は、現役の中学・高校教員が中心となり、本気で起業に挑戦している点にあります。理科・英語・国語などを担当する教員5名と、スタートアップ界隈で出会った社会人がチームを組み、教育とビールづくりを結びつけた前例のない取り組みを進めています。

事業の原点は、2023年に校内で立ち上げた「ビジネス愛好会」にあります。起業家やOBを招いた講演やワークショップを通じて生徒にアントレプレナーシップ教育を行う中で、「挑戦を促す教員自身が挑戦しないのはおかしい」という問題意識が芽生えました。ビジネスコンテストでの優勝をきっかけに構想が具体化し、学校・保護者・OBとの強いネットワークを活かしたクラフトビール事業としてDragon Brewingが誕生しました。

醸造は島根県の石見麦酒で研修を受けた代表を中心に行われ、石見式醸造法を取り入れた小ロット生産を計画しています。名古屋市東区の元社宅を改築したマイクロブルワリーで、2025年8月に発泡酒製造免許を取得し、同年秋から販売を開始しました。若者や女性など、これまでビールを敬遠してきた層にも親しみやすい、甘みや軽さ、低アルコールを意識したビールづくりを目指しています。

Dragon Brewingの取り組みは、単なるビール事業にとどまりません。起業のプロセスそのものを教育に還元し、教員が挑戦する姿を通じて、生徒に「越境する勇気」や新しいキャリアの選択肢を示すことを目的としています。
学校を起点に人と人をつなぎ、ビールづくりを通して教育と社会を結び直す、極めてユニークなブルワリーです。