ギネス(Guinness & Co.)は、1759年にアーサー・ギネスがアイルランド・ダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で創業した、世界的に著名な黒ビールブランドです。ローストした大麦による深いコク、ほのかな甘み、そして窒素ガスによるクリーミーで滑らかな泡はギネスの象徴であり、250年以上にわたり世界中の人々を魅了し続けてきました。ゆっくりと泡が立ちのぼる「サージング」と呼ばれる現象は、ギネスのグラスならではの美しい光景として知られています。
19世紀以降、ギネスは急速に国際展開を進め、現在では150か国以上で愛飲されています。1997年末には、グランドメトロポリタン社と合併してディアジオ(Diageo)社が発足し、ギネスはそのビール部門として位置付けられました。世界的な酒類企業グループの一翼を担い、伝統を守りながら革新的な取り組みを続けています。
日本国内での販売については、長年サッポロビールが輸入販売権を持ち、将来的に国内製造を行う構想まで立てていたと伝えられています。しかし、この計画は実現しないまま、2008年11月にディアジオと関係の深いキリンビールが販売権を取得し、2009年6月からは正式にキリンビールが国内での販売を担当するようになりました。これにより流通体制が整備され、日本の多くの飲食店や専門店でギネスを楽しめるようになっています。
ギネスは、アイルランドの文化的象徴であると同時に、世界のビールシーンにおいても特別な存在です。その独特の味わいと歴史背景は、今なお多くのファンを惹きつけ続けています。