ISHINOMAKI HOP WORKSは、宮城県石巻市にある唯一のクラフトビール醸造所です。
東日本大震災で甚大な被害を受けた北上町で、2017年からホップ栽培を始めたことがきっかけとなり、地域に根ざしたブルワリーとして2022年に自社醸造をスタートしました。「震災の時にいただいたエール(YELL)を、今度はエール(ALE)としてお返ししたい」という思いを込め、石巻産ホップを使った個性豊かなビールを造り続けています。

拠点となるのは、かつて酒蔵やダンスホール、映画館として人々に親しまれた「石巻日活パール劇場」の跡地です。被災し、長らく閉館していたこの場所を再び文化の灯がともる場にしたいという願いから、ブルワリーとタップルームへと生まれ変わらせました。
かつて賑わいを見せた「文化通り」に新たな息吹をもたらし、ビールを通じて地域と人々をつなぐ場となっています。

栽培しているホップは「カスケード」「センテニアル」「信州早生」「マグナム」「ハラタウ」の5品種。北上町の畑では夏になると5メートルを超える緑のカーテンが広がり、就労支援に携わる人々とスタッフが一つひとつ丁寧に手摘みします。
そうして生まれるビールには、地域の人々の想いと労力がぎゅっと込められています。

ISHINOMAKI HOP WORKSが大切にしているのは、誰も隔てられず、誰にでも幸せが届く多様性ある場所をつくることです。
ホップの花言葉である「希望」を胸に、石巻の自然と人の力を重ね合わせ、これからも地域と共に歩むビールづくりを続けていきます。