希望の丘醸造所は、宮城県岩沼市の復興の象徴「千年希望の丘」に名を由来するクラフトビール醸造所で、牛たん炭焼の名店「利久」を展開する株式会社利久が2022年に本格稼働させました。

地元・宮城への愛を芯に、岩沼や県内で育つ魅力的な食材を積極的に副原料として採り入れ、牛たんをはじめとする肉料理に寄り添う味わいを追求しています。
定番のアメリカンペールエール、ヴァイツェン、IPAに加え、仙台市荒浜のブルーベリーやブドウ、岩沼の“幻のフルーツ”ポポーなどを使った限定ビールも醸造。
商品名は牛肉の部位にちなみ、デザインにもその世界観を織り込みました。
全国の利久店舗を中心に提供され、土産用ボトルの取り扱いも一部店舗で行っています。

味づくりの柱は、伝統への敬意と最前線の技術をしなやかに取り入れる温故知新の姿勢です。
ヘッドブルワー大平洋介の下、銘柄ごとにメイン醸造担当を置くチーム体制で、ホップ投入のタイミングや発酵温度、溶存酸素管理などを磨き込みながら「何杯でも飲みたくなる」ドリンカブルな仕上がりを目指します。
その成果は国内外の審査会でも評価され、ゆずを用いたセゾン「Culotte」がインターナショナルビアカップで金賞とJapan Originカテゴリーチャンピオン(2022)、翌年も同スタイル金賞、さらにジャパンブルワーズカップ2024ではフルーツビール部門3位を受賞。「KNUCKLE 167A」はAmerican-Style Pale Aleで銀賞(2023)、「THE SPENCER」はAmerican-Style IPAで銅賞(2022)、「Sweet Bread」は南ドイツ系ヘーフェヴァイツェンで銅賞(2023)、「Kawatabi Cold IPA」は東北大学とのコラボでEmerging IPA銀賞(2023)に輝いています。

被災の記憶を風化させず、宮城の多彩な食材の魅力をビールで全国へ伝えること。
清掃を徹底する日々の基本から、溶存酸素の精密なコントロールに至るまで、丁寧な仕事で「利久にあうビール。利久であるビール。」を形にし続ける希望の丘醸造所は、牛たんとビールの新しい幸福な出会いを宮城・岩沼から届けています。