長野県・諏訪の地で二百余年の歴史を紡ぐ「麗人酒造株式会社」。その創業は寛政元年(1789年)、フランス革命やアメリカ合衆国憲法制定の年にあたり、まさに世界が動いた時代から続く老舗酒蔵です。今もなお、蔵の一角には創業当時の大黒柱が堂々と残り、酒造りの神・松尾大社の銘が刻まれたその姿は、時を超えた伝統の証です。

麗人の酒造りを支えるのは、霧ヶ峰高原に降り注いだ雨が長い年月をかけて地中でろ過され、諏訪の大地に育まれた伏流水。蔵内の井戸から湧き出るこの清らかな水は、仕込みから仕上げまでに多くの水を必要とする日本酒造りに欠かせない存在であり、創業当時から変わらず守り続けられています。

そんな麗人酒造が平成11年(1999年)から手がけるのが「諏訪浪漫麦酒」。日本酒を醸す常勤の杜氏たちが、その技術と感性を活かして造るクラフトビールです。使用する水には、ミネラル豊富な「上諏訪温泉」の湧き水をブレンド。通常の軟水だけでは得られない“酵母が活きる環境”を整え、キレのある味わいを実現しています。発酵の際には温泉特有の成分もガスとともに揮発するため、風味に残ることはなく、雑味のないすっきりとしたビールに仕上がります。

上質な大麦を100%使用し、伝統の蔵と現代の醸造技術が融合して生まれる「諏訪浪漫麦酒」。
酒の歴史と自然の恵み、そして杜氏の手仕事が織りなす一杯には、信州・諏訪の風土と浪漫がぎっしりと詰まっています。