SHIKI BEERは、埼玉県富士見市にある小さなクラフトビール醸造所です。
2018年に志木市で誕生し、2022年に富士見市へ移転してブリューパブとして新たな歩みを始めました。タップルームでは量り売りも行っており、グラウラーを片手に訪れることができます。

醸造家の矢野利治氏は元々建築士・デザイナーとして活動しており、自ら手掛けた空間で地域の人々と交流できる場を築きました。志木市での立ち上げ当初から「人・暮らし・地域をつなげ、街を盛り上げるビール」を掲げ、今もその想いは変わりません。

SHIKI BEERの大きな特徴は、全てのビールに自家栽培した甘夏のオレンジピールを使用していることです。
無肥料・自然栽培で育て、虫も手で取り除くなど丁寧に管理した果実を自ら皮むきし、干して仕上げたオレンジピールは、ビールに柔らかな香りと独自のアクセントを与えます。将来的には、すべての原材料を地元でまかなうことを理想に掲げています。

ベルギービール文化に魅せられて始まったラインナップは、セゾンやアビィダブル、ブラックセゾン、ブラウンエールなど多彩です。すべて瓶内二次発酵で仕上げられており、酵母由来の豊かな香りとモルトの香ばしさを大切にしています。さらに、醸造後に出るモルト粕は近隣の牧場で牛の飼料として活用され、地域との循環を形にしています。

発酵の力を信じ、手間を惜しまず、地域とのつながりを大切にしながら造られるSHIKI BEERは、ビールそのものの奥深さと温かみを感じさせる存在です。