嬬恋高原ブルワリー(つまブル)は、群馬県吾妻郡嬬恋村の大自然の中にあるクラフトビール醸造所です。
1997年に創業して以来、オーナーブルワーの黒岩修氏が四半世紀にわたり、一人で心を込めたビールづくりを続けています。建設業から転身し、「料理に合う自家製ビールをつくりたい」という思いからスタートしたブルワリーは、今では地域を代表する存在へと成長しました。
最大の特徴は、自家栽培のホップと地元農家と協力して育てる大麦を使用していること。嬬恋高原の冷涼な気候と澄んだ湧き水に育まれた原料から生まれるビールは、この土地ならではの個性と風味を持ちます。黒岩氏は「地ビールとは、その土地の魅力を映すもの」という信念のもと、原料づくりから発酵、清掃に至るまで、すべての工程に妥協を許しません。タンクの洗浄も薬剤を使わず手作業で行うなど、徹底した品質管理が貫かれています。
ビールのスタイルはクラシックからモダンまで幅広く、どれも“バランスの良さ”を重視。ホップの香りと苦味、麦の旨味を調和させ、食事と寄り添う味わいを追求しています。代表銘柄の「つまブルIPA」「つまブルペールエール」「つまブルピルスナー」は、いずれも飲み飽きしない絶妙なバランスが魅力で、餃子や魚料理、担々麺など幅広い料理とのペアリングが楽しめます。
標高の高い嬬恋村は、夏秋キャベツの一大産地として知られる高原地帯。黒岩氏は「キャベツに次ぐ嬬恋の名産として、ビールを根付かせたい」との想いで醸造を続けています。地元の自然と真摯に向き合い、原料から自らの手で生み出す——。
嬬恋高原ブルワリーのビールには、土地への愛と職人の情熱が深く息づいています。
