神奈川県横須賀市・久里浜の地に根ざす「法龍山麦酒」は、2023年4月にオープンしたクラフトビール醸造所。
寺院を母体とし、僧侶である醸造責任者・藤堂曜平さんが手がける、まさに“テラピスト(寺+セラピスト)ビール”という個性あふれるブルワリーです。
代表銘柄「天上天下唯我独尊」は、お釈迦様の教えから名付けられたビール。飲む人に「自分の命の尊さ」を思い出させ、笑顔になれるような時間を届けてくれます。クラシカルでしっかりとした味わいが特徴で、季節や好みに応じて少量多品種の仕込みが可能なため、何度訪れても新しい出会いがあるのも魅力です。
地元農家と連携し、廃棄予定のいちごや柑橘類、摘果メロンなどを原料に活用するなど、フードロス削減にも積極的。クラフトビールを通じて、SDGsにも取り組んでいます。
さらに、法龍山麦酒では、障がいを持つ方を含む多様な人材の雇用にも力を入れており、「誰もが個性を活かして働ける場をつくりたい」という藤堂さんの実体験に根ざした強い想いが込められています。自身も発達障害を抱えながらも、専門学校での醸造技術を活かし、夢を実現させたその姿は、多くの人の希望となっています。
使用する水は、名水百選にも選ばれた横須賀・走水の「ヴェルニーの水」。明治時代から続くこの歴史ある湧き水が、法龍山麦酒の味に豊かな深みを加えています。
祈りと誠実な手仕事、そして地元愛が詰まった一杯。法龍山麦酒は、ビールの枠を超えたぬくもりと哲学を、静かに、そして力強く伝えるブルワリーです。