“悪魔”の名を持つ、熟成を楽しむ大麦のワイン
サンクトガーレンの「el Diablo(エル ディアブロ)」は、バーレイワインと呼ばれるスタイルのビール。アルコール度数10%、麦の濃厚な旨みと熟成による奥深い味わいが特徴の、ビールの枠を超えたような存在感を放つ一本です。
バーレイワインとは、かつてイギリスでワインに対抗するためにつくられた、アルコール度数がワイン並みに高く、時間の経過とともに熟成していく特別なビール。el Diablo はその中でも異彩を放つ存在です。
使用される麦芽は通常の約3倍、ホップは約6倍。しかも麦芽の中でも特に濃度の高い部分だけを用いることで、10%という高アルコール、91という強烈なIBU(苦味単位)、そして蜜のようにとろりとした口当たりを実現。瓶内二次発酵によって仕上げられたビールは、1本1本すべて手詰めされ、時間と手間が惜しみなく注がれています。
栓を開けた瞬間から香りは華やかで力強く、若いうちはホップの鮮烈な苦味やハーブのようなフレッシュな香りが際立ちます。熟成が進むにつれて角が取れ、麦芽由来の甘みがふわりと顔を出し、ドライフルーツを思わせるような複雑なアロマが広がっていきます。特に1年目の変化は顕著で、「これが同じビール?」と驚くほどの進化を遂げます。
飲み頃の温度は、ほんの少しぬるくなってから。ワイングラスやブランデーグラスで香りを楽しみながら、ぜひチーズやチョコレート、ドライフルーツとともに食後にゆっくりと味わってください。
今すぐ楽しむもよし、1年、2年、3年と寝かせて「育てる」もよし。まさに“悪魔”の名にふさわしい、深みと誘惑に満ちた麦のワインです。