“天使”の名を冠した、まろやかで柔らかな小麦のワイン

サンクトガーレンの「Un angel(ウン アンヘル)」は、“天使”の名を持つ特別なウィートワイン。小麦麦芽を主原料にしたこのビールは、口当たりの柔らかさと優しい甘み、そして熟成によって深まる風味が魅力の、静かに寄り添うような一本です。

ウィートワインは1980年代にアメリカで誕生した比較的新しいビアスタイル。バーレイワイン(大麦のワイン)に対し、小麦麦芽を主に使うことで、まろやかで穏やかな味わいに仕上がるのが特徴です。小麦はたんぱく質が豊富で、ビールにクリーミーな質感をもたらし、ホップも控えめにすることで、苦味よりも穏やかな麦の甘みが引き立ちます。

アルコール度数は10%。ビールとしては高めですが、角の取れた味わいとやさしい飲み心地で、力強さよりも包み込むような落ち着きを感じさせます。使われている麦芽はホワイトウィートモルトを中心に、ペールエールモルト、クリスタルモルトをブレンド。ホップにはコロンバス、HBC342、カスケードを使用し、穏やかな香りと控えめな苦味(IBU 55)でバランスを整えています。

その名の通り、“悪魔(el Diablo)”と対になる存在として造られた「Un angel」は、華やかで激しいビールとは対照的に、内に秘めた奥行きと優しさが魅力の一本。熟成を経ることで、味わいにさらなるまろやかさと深みが加わります。

冷やしても、少し温度を上げても。ゆっくりと時間をかけて味わいたい、天使のようにやさしい麦のワインです。