麦雑穀工房(ZAKKOKU KOUBOU)は、埼玉県小川町にある自然豊かな里山の風景に囲まれたクラフトビール醸造所です。
2003年に開業し、小川町駅からほど近い立地で、町の小さなビール屋として地域の人々や訪れる人に親しまれています。かつて和紙や酒造で栄え、現在では有機農業の取り組みでも知られるこの町で、畑仕事から始まった雑穀栽培をきっかけに誕生したのが麦雑穀工房のビール造りです。
創業者が育てた雑穀の有効活用を模索する中でクラフトビールへと発展し、現在では自家栽培の大麦や小麦、ホップをはじめ、地元有機農家の果物や野菜を取り入れ、さらには自家製麦によるモルティングまで行うことで、自給原料100%のビールも造り出しています。

醸造過程で出るモルト粕は畑に肥料として還元され、微生物豊かな土が再び美味しい作物を育むという循環型の仕組みを持ち、地域と自然と共生するビール造りを実現しています。
定番の「雑穀ヴァイツェン」や「おがわポーター」をはじめ、山椒やベリー、ぶどうなど多彩な副原料を用いたフルーツエールや長期熟成ビール、年間40種におよぶ幅広いスタイルを手掛け、訪れるたびに新しい味わいに出会えるのも魅力です。

麦雑穀工房のビールは、単なる地ビールを超えて、畑と食卓をつなぎ、季節の移ろいや土地の恵みを感じさせる一杯となっています。
畑から始まり、人の手と自然の循環で育まれるそのビールは、小川町の風景と共に、飲む人にやさしい驚きと心地よさを届けてくれます。