ホップガーデンブルワリーは、福島県田村市の自然豊かな阿武隈高原に位置するクラフトビール醸造所です。運営するのは株式会社ホップジャパン。
原発事故の影響で休眠状態となっていた公共施設「グリーンパーク都路」を再生し、2020年11月に新たな命を吹き込みました。ホップの栽培からビール醸造までを一貫して行い、地域の一次産業を起点に「人・もの・こと」を繋ぐ循環型ブルワリーを目指しています。
創業者の本間誠氏は、アメリカ・シアトルで体験したクラフトビール文化に感銘を受け、「人が笑顔でつながる場所を日本でもつくりたい」という想いを抱きました。その後、東日本大震災を経て被災地・福島で夢を実現することを決意。契約農家と共にゼロからホップ栽培を始め、4年の歳月をかけてブルワリーを開業しました。
ホップガーデンブルワリーの特徴は、地元・阿武隈高地の冷涼な気候と豊かな水に育まれた高品質なホップをふんだんに使えること。契約農家で収穫されたホップはすぐに冷凍され、ほぼすべてのビールに使用されています。特に、摘みたてのホップを1時間以内に仕込みに使う「Abukuma Fresh」や、100%地産ホップを使った「Abukuma Green」は、鮮烈な香りと風味で人気を集めています。
ビール造りのテーマは、自然と宇宙の調和を表す「陰陽五行」。
木・火・土・金・水をモチーフにした7種の定番・準定番ビールを展開し、地域の農産物を取り入れた季節限定ビールも醸造しています。麦芽かすなどの副産物を自然に還すサステナブルな取り組みも行い、環境に優しい循環の仕組みを築いています。
施設内にはタップルームのほか、ホップ畑や麦畑、キャンプ場、ロッジ、ディスクゴルフ場を併設。自然と共にクラフトビールを楽しめる空間として、多くの人々が訪れます。さらに、地域イベント「つながりマルシェ」も毎月開催し、地元の生産者や住民との交流を深めています。
ホップガーデンブルワリーは、ビールを通じて人と人をつなぎ、地域に笑顔と活力をもたらす場所。
福島の大地に根ざし、自然と共に歩むこのブルワリーから、今日も新たな希望の一杯が生まれています。